はじめに
アクセシビリティ(Accessibility、略して A11y)は、すべてのユーザーがより簡単・快適に Web を利用できるようにするための基本原則です。
フロントエンド開発者はHTMLの構造を作り、インタラクションを定義します。ユーザーに最も近い場所でWeb体験を設計する立場であり、アクセシビリティの出発点かつ中核的な役割を担っています。だからこそ、フロントエンド開発者がアクセシビリティを意識すれば、誰もが利用できるWebを実現できます。
本ドキュメントは「アクセシビリティは難しい」と感じている方に向けて、現場ですぐに適用できるアクセシビリティの核心概念と、つまずきやすいパターンを解説します。ボタンの中にボタンを入れてはいけない理由、<a>タグの中に<button>が入るとどんな問題が起きるのか、スクリーンリーダー利用者はどのようにコンテンツを読むのかなどを、実際の例とともに紹介します。
こんな方におすすめ
- 🎯 何気なく書いたコードが、誰かにとって大きな障壁になり得ると気づいた開発者
- 🔍 「アクセシビリティを考慮すべき」とは聞くものの、どこから始めればよいか見当がつかない開発者
- 👀 「スクリーンリーダー」「キーボード操作」「ARIA」といった用語を聞いたことはあるが、実務で適用したことがない開発者
- 🧩 HTML 構造の問題で自動テストが失敗したり、外部ライブラリ連携がうまくいかなかった経験がある開発者